所長挨拶 - IP for the future 将来に備えた特許戦略 -
幼少の頃、"東京特許許可局"という早口言葉が流行りました。
当時、特許はそれほど重要視されておらず、意匠権や商標権等を含めた知的財産権という言葉は、その存在すら無かったようです。それが、1980年代に入ると、アメリカのプロパテント政策の煽りを受けて、世界中が特許戦争に巻き込まれました。早口言葉に使われた"特許"は、企業の命運を左右し、企業にとって、盾にも矛にもなる武器となりました。
特許を取得するには、コストが掛かります。企業では、その費用対効果を数字に表すことがとても難しいと言われています。その一方、特許出願は、5年先のためにするものだとも言われています。
企業努力によって花開いた事業も、それを保護する特許が無ければ、他社の追随を許し、また、他社からの攻撃を受けます。有用な特許は、他社との競争力に大きく寄与します。
私たちは、企業にとって有用な武器となる特許権を獲得することが、一義的な使命だと考えております。特許の有用性は、技術の高度性に必ずしも連動しません。
往々にして、シンプルで分かりやすい発明が、必須特許となっています。その本質を見極めることにこそ、私たちの専門性が発揮されるべきであると考えています。
私たちは、発明を、"武器としての特許権"へと導くために、専門的な着眼をもって、権利としての本質を追究して参ります。そして、将来に備えた特許戦略を円滑に進めるために、貴重な企業財産である発明を形にするためのサポートを提供して参ります。
芝野 正雅